東京支店では、JTグループの製品開発および品質を支えるため、「ラボ業務」と呼ばれる専門的な業務が行われています。
ラボ業務は「製品開発サポート」と、「品質測定分析」の二つから成り立っています。
本記事では、その中でも「品質測定分析」にフォーカスし、実際の仕事内容や、その難しさ・やりがいについてご紹介します。
目次
品質測定分析の役割 ― 品質を“数値で保証する”仕事
品質測定分析では、たばこをご愛顧いただいているお客さまに、仕様通りの製品をお届けするため、JT製品(紙巻きたばこ・加熱式たばこ等)の分析を行っています。
主な業務は、ガスクロマトグラフ、高速液体クロマトグラフ等の測定機器を用いた、「たばこ成分」と「たばこ物性」の測定です。
それぞれの測定・分析は、厳格な基準のもとで実施されています。測定条件や手順が細かく定められており、それらを遵守することが、正確な測定結果を得るためには必要不可欠です。
また、測定分析業務だけでなく、分析計画の立案やデータの整理・報告といった業務も重要な役割の一つです。さらに、関西支店やJTと連携しながら、品質の維持・向上に貢献しています。
品質測定分析を構成する3つの業務
ここからは、実際にそれぞれの業務に携わる社員の方々に、具体的な仕事内容や現場で感じている難しさ・やりがいについてご紹介いただきました。
煙に含まれる成分を測定する仕事(煙分析)
<プロフィール>
小林 幸太郎 (こばやし こうたろう)
2020年入社 東京支店 業務担当2グループ 煙分析チーム
専用機器を用いてたばこを燃焼させ、その煙に含まれる成分を測定する業務です。試料を受け入れ、測定・分析し、次工程へ引き継ぎます。試料となるたばこは1本ごとに水分量などの状態が異なるため、一定期間同じ環境に蔵置し条件を揃えるなど、事前準備の段階から細かな管理が求められます。
測定は、指示書に基づいて進められます。この指示書には、測定方法や条件など10項目以上の細かな設定が記載されています。条件を一つでも誤ると結果の信頼性が損なわれるため、常に確認を重ねながら慎重に作業を進める必要があります。
1回の測定には1時間から1時間半ほどかかり、それを1日に3~4サイクル繰り返していきます。また、測定の合間には、翌日以降に使用する試料の準備も並行して進めていきます。
この業務の特徴は、「次工程につながる仕事」である点です。試料から採取した成分は、化学分析チームへと引き継がれます。ここで測定したデータも次工程へと引き継がれ、複数の工程を組み合わせることで、さまざまな成分が明らかになっていきます。
そのため、ミスに気づかないまま成分やデータを引き継いでしまうと、測定のやり直しが発生してしまいます。一つひとつの条件を正確に守り、次工程へ確実に引き継ぐ。その責任の重さが、この業務の難しさでもあり、やりがいでもあります。
製品に含まれる成分を化学的に分析する仕事(化学分析)
<プロフィール>
和久津 愛美 (わくつ まなみ)
2019年入社 東京支店 業務担当2グループ 化学分析チーム
製品や材料に含まれる成分を抽出し、ニコチンやメンソールなどの含有量を分析する業務です。
分析対象はたばこの煙だけでなく、たばこを構成する材料から、パッケージの材料まで、製品全体に及びます。試料を粉砕したり、部位ごとに分けたりといった前処理を行ったうえで、目的の成分を1~3時間かけて抽出します。
抽出をしている間は他のメンバーの作業を手伝ったり、データ整理や事務処理を進めたりと、時間を有効に使いながら業務を進めていきます。
そして、装置による分析を夕方に開始し、結果を翌日の午前中に確認・整理していくというサイクルで一日が進みます。精度を重視するため、複数の測定を同時に並行して進めることは少なく、一つひとつの工程を確実に進めることが基本となっています。
分析データは自動的にシステムに格納されて、業務は完了します。報告書のような形でまとめる業務はなく、「正確なデータを出すこと」が求められる仕事です。
この業務の難しさは、わずかな操作の違いが結果に大きく影響する点にあります。例えば、溶媒の量が多ければ成分が薄まってしまい、正確な数値が出ません。また、作業の順番を誤るだけでも、結果に不備が生じる可能性があります。
さらに、測定データは自動で出力されるものの、最終的には人の目による確認が必要です。想定外の結果が出力された場合、作業内容を一つひとつ遡りながら検証していく必要があります。精密な作業を積み重ね、正確な分析結果を提供できた時の達成感が、この仕事ならではのやりがいといえます。
製品の物理的な特性を測定する仕事(物性測定)
<プロフィール>
山口 愛美 (やまぐち あいみ)
2018年入社 東京支店 業務担当2グループ 製品分析チーム
製品の物理的な特性を測定する業務です。
測定項目は20~30種類に及び、例えば巻の硬さ、水分量、通気抵抗など、製品の状態を多角的に測定していきます。
業務は、箱単位で届いた製品の受け入れから始まり、そこからランダムに試料を採取し、各測定に必要な本数へと仕分け、測定に取り掛かります。測定の前後には、使用する機器が正常に作動しているかを確認する点検作業を行い、測定結果の信頼性を担保しています。
具体的な例を一つ挙げると、たばこの吸いやすさに関わる通気抵抗の測定があります。紙巻部分とフィルターに分け、それぞれの空気の通り具合を専用の機器で測定します。一つの測定にかかる時間は長くても20~30分ほどですが、複数の測定を並行して進めるため、3台ほどの機器を同時に稼働させながら作業を進めていきます。
ここで重要なのは「慣れに流されないこと」です。正規の手順から一つでも逸脱すれば、そのデータは信頼できないものとなるため、常に基本に立ち返りながら作業を進める必要があります。
同じ作業を正確に積み重ねることが、製品の品質維持につながる。地道ではありますが、製品の信頼性を支える重要な役割を担っています。
東京支店の分析業務は、一つひとつの工程を丁寧に積み重ねることで成り立っています。
どの業務においても共通しているのは、「正確なデータを提出する」という使命です。そのために、手順を守り、確認を徹底し、チームで支え合いながら製品開発や品質保証に貢献しています。


